向日葵の咲かない夏 作:道尾秀介 感想

書店のJR西船橋エキナカ書店で、POPに惹かれて読んでみました。はじめは期待通りの面白さだったのですが、中盤から雲行きが怪しく、いわゆるオタッキーな偏った系に倒れていき、終わりには唖然として違う世界の話しだったんだと強く想いたくなるようなミステリーでした。
主人公はうだつのあがらないクラスでも控え目な「ミチオ」(著者の苗字と一緒じゃん)。一学期の終業式にお休みしたS君へ、先生から預かった手紙や作文を届けるためS君の家に行った。ミチオがそこで見たものは・・・そこから物語ははじまる。・・・S君は首を吊って・・・しかし、7日目S君は蜘蛛に生まれ変わってミチオのもとに現れる。そこで聞かされるのは『死の真相』、えっ!自殺ではなく、殺されただなんて・・・真実を追い求め、東奔西走するミチオ、妹ミカや陰鬱な両親・・・そして最後には決してハッピーでないEndが・・・とにかく面白いけど、ゾッとして寒気の走る逆転に次ぐ逆転のミステリーです。