2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

最後の証人 作:柚木裕子 感想

「人は選ばなかった人生に常に嫉妬して生きていく生き物だ。」 あの時のことを深く後悔しても、あの日・あの時は決して帰ってこない。私自身、人は常に前を向いて、目線を高くして進むべきだし、そうありたいと常に思っている。でも、どうしても過去に引きず…

ボトルネック 作:米澤穂信 感想

自分は、仕事で問題点を指す場合に『ボトルネック』という言葉を使うことがある。ボトルネックという言葉は、相当な難問が横たわっていて、一筋縄ではいかないと想定され、あえて、問題を強調し、メンバーの意識を集中したいときに使っている。この小説のボ…

下流の宴 作:林真理子 感想

他人事とは思えない福原家の在り様が、身につまされる。自分に置き換えたら、高校中退しようとする息子に何といってやれるのだろうか、また、二十歳を過ぎても定職につかず漫喫で働く息子が、突然、年上の女の子を連れてきて、「同棲している、結婚したい」…