2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

箱庭図書館 作:乙一 感想 

ボツ原稿を乙一流にリメイクすることで生まれたそれぞれの物語は、それぞれの味やベクトルがあるものの、主人公に連鎖性を持たせることで、それぞれのパズルピースがぴったりはまって一枚の絵を作っているかのようです。匠の技を目の当りにしているようで、…

王様ゲーム 滅亡 6.08 作:金沢伸明 感想

王様ゲーム・・・書かれている内容のパターンが分っていてもまた手にとってしまいました。最新刊が出るたびにどうも気になるんです。『首がゴロン』・『手足が落ちた』などグロい表現があって「次は読むもんか!」って思っていたのに、少し時間がたって書店で…

困っている人 作:大野更紗 感想

病気と対峙するって、どんなに具合が悪くても、強い意志で自分が努力しないといい方向に向かないんだな。努力したぶんだけ好転するのは、病気以外のことと同じ・・。また、どんなに信じていたいと思う医師でも、所詮は『他人』であり『自身』ではない。だか…

四十九日のレシピ 作:伊吹有喜 感想

普通しっとりと執り行われる四十九日法要が、こんなにもたくさんの人たちの想いに暖かく囲まれて大宴会のようになるなんて、その人が生前にやってきた「人と接するときの献身的な優しさ」や「覚悟」が伺えて、すごく幸せな人生であり、そして充実した濃密な…