2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の公園 作:川上弘美 感想

自分の中では、煮え切らない恋の描写ならお勧めは「川上弘美」なのですが、その領域がさらにパワーアップして、のんびりした雰囲気の中の愛憎、いわば、『夏の高原の真ん中のコタツみかんと膝枕』(よけいわからないか?!)、ストレートに言えば『まったり…

風に舞いあがるビニールシート 作:森絵都 感想 

この本の帯には「大切な何かのために懸命に生きる人たちの6つの物語」と書いてありました。物語ひとつひとつにはそれぞれの大切なものが書かれていて、その大切なものとは、一般的な「金」・「命」・「家族」とも違ったもっと深いものが現されています。中…

約束 作:石田衣良 感想

この作品のあとがきで作者の石田衣良は、以下のように書いています。 テレビニュースを見て泣くことはめったにありませんが、池田小学校事件だけは例外で、悲しくて、腹が立ってたまらず、気づいたら鼻をすすっていました。生き残った子供たちにエールを送り…

かあちゃん 作:重松清 感想

重松清の最新作ということで、早速読んでみました。 以前ご紹介した『とんび』と反対の『かあちゃん』・・・そこには多感な時期、半人前以上となった中学生の心と身体の成長が書かれていました。重松作品では、父親がメインとなることが多かったと記憶してい…