2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

掏摸(すり) 作:中村文則 感想

都会の雑踏、その中で生き抜くひとりの掏摸。裏の世界にいながら、非情になりきれず温かい面をみせてしまう。それがいいところでもあり、浸けこまれるウイークポイントにもなってしまう。 ある犯罪に加担したことをきっかけに裏社会の番人ともいうべき冷酷非…

父の背中

先週から給湯器が故障している。そのため、1階の親世帯の風呂を夜な夜な借りている。一昨日の深夜1:30頃、風呂に入ろうと階段を降りていくと、トイレに用足しで起きた父が寝ぼけ眼で廊下を歩いてきた。1階の風呂の隣はトイレ、その正面は階段になっている…

16 シックスティーン 作:石田衣良 感想

月島のあの4人が高校生になって戻ってきた!あれから2年・・・それぞれがそれぞれの個性のもと歳を重ねているけど、変わらない4人。読み進めるうちに『14』のシーンもよみがえってくる。なんだか懐かしい感もあり、また一方で4人の成長にほほえましい…

十二歳 作:椰月美智子 感想

小学校6年生になった4月から中学に羽ばたく3月までの一年、心もからだも子供以上大人未満の微妙な年頃、いままで意識したことのない友達との差を感じ、頭とからだのバランスが崩れてしまうこともままある。主人公の「さえ」は、ポートボール(今の子供は…