ボーナス・トラック 作:越谷オサム 感想

近所の書店に行き「次は何を読もうか」思案していると、地元の作家としてサイン本が出てました。それで、思わず手にしたのが、この本『ボーナス・トラック』です。内容もわからなかったのですが、地元とサインという2つのキーワードだけで、「面白いに違いない」と決めて購入してきました。
手にした動機は不純でしたが、この本、期待を裏切る面白さがありました。なにしろ、舞台が私の住む街とその周辺に似ているということもあり(よくある地方都市なので、どこでもあてはまるはずですが)情景が目に浮かび、主人公の草野の性格は、生真面目なところが微妙に私に似ています。この物語、その草野が偶然に遭遇したひき逃げ事件からはじまります。なんと、ひき逃げの被害者で幽霊となった亮太は、草野にとりつくわけではないですが、一緒に寝起きするようになり、生活をともにするようになります。なぜって、草野はなぜか亮太が見え、会話することもできるようになったからです。そして、二人は、力をあわせて亮太ひき逃げの犯人を探すようになっていきます。そこへもともと霊感の強くて、ある意味あっちの人?と声を見聞きする力をもったメンバーが加わり、変わった仲間の輪が広がっていきます。あの世に行けず、現世で犯人を探す亮太の運命はどうなるのか?
ボーナス・トラックって付いてるとラッキーと思うけど、それを作るのはまた人の想いなんだなって感じました。