宿命 作:東野圭吾 感想

先週に引続き、東野作品を読みました。やぁ〜飽きさせない面白さがギッシリ詰まっていてさすがですね、次々読みたくなります。

この『宿命』、主人公は親子2代で刑事の勇作。UR電算という大企業の社長が殺されたことに端を発し、元社長の息子で同級生の晃彦と因縁の再会を果たします。勇作と晃彦は、小学校から高校まで続いたライバル同士。そこに、勇作が平和で充実していた高校時代に、人生で一度だけ愛した女性の美佐子が晃彦の妻として現れる。これだけでも充分に運命や宿命を感じるのですが、それが、社長の殺人事件の解明とともに、まさに宿命と呼ぶにふさわしい感動のクライマックスに進んでいきます。予想もしなかった大どんでん返しの連続で、ぐいぐい読み進められました。

網の目のように張り巡らされ、何重にも重なるトラップ(見せ場)の数々は、緻密な計算のもとに配置されたと思いますが、読み終える頃には、そんなトラップが心地よく、またそれを感じたい、はまってみたいと切望する。そんな自分がいました。