死亡フラグが立ちました! 作:七尾与史 感想

思わずタイトルにつられて手に取った本、期待を裏切る面白さに、つい、ほくそ笑んでしまいました。

主人公は売れないフリーライターの陣内、出版業界の最底辺にいることを自らうたう人物だ。その陣内の唯一の収入源が、日本全国の都市伝説をテーマにしたオカルト雑誌『アーバン・レジェンド』の原稿料だ。原稿料とは聞こえがいいが、金額にしたら普通のサラリーマンの半分以下、ギリギリ生活できるできないの線なのだが、そこはそれ、好きなことだからよしとしている。でも、昨今の出版業界不況から、この『アーバン・レジェンド』も体制と中身の見直しを迫られている。会社からの要求は、最後通告にもにた「来月号の売上を倍にしろ」だ!さもなくばクビといった状況下で、締め切りに追われる中、編集長からの陣内へ指示は、都市伝説にふさわしい『死神を見つけろ』だ。死神とは、その筋の方々や政界等でまことしやかに囁かれる殺し屋だ!はたして、陣内は、編集長から指定された5日間の内に死神にたどりつくことができるのか?!

ネタバラシはしませんが、死神に死の予告をされると24時間以内に死ぬといったところは、あのキーファーの『24』を思わせ、また、陣内を囲む特異なキャラクターを持つ人たちは、TOKIOの長瀬君の『うぬぼれ刑事』のようです。コミカルなんだけど、一本筋が通っていて、最後の最後まで楽しませてくれます。

キーワードは【バナナの皮】、一度、お試しください。きっと好きになります。