真夜中のパン屋さん 作:大沼 紀子 感想

「パン屋さんが真夜中にやってても売れないじゃん。」そう思って手にとったのが、この本です。端的に言うと心温まる本です。真夜中しか営業しないパン屋。人の心を癒せる男と愛情を込めたパンを作れる男、2人で営業するパン屋。現実では、なかなか無いパン屋に心を引かれ、疑似体験している気持ちで読みました。
パン屋さんはいい匂いがするし、色んな形の色んな味がするパンが売っているから大好きです。真夜中にパン屋さんを見つけたら間違いなく立ち寄るでしょう。
きっと心に傷を持つ人もそういった気軽な気持ちで立ち寄れる。儲かるか儲からないかでなくお客さんの話をじっくり聴いてくれる。そんなパン屋さんの器の大きさや温かさに触れると小さな事で悩んでいる事がばかばかしく思えます。まるで青空のような存在だと思いました。青空を見ていると心を広く持てる気がしませんか?私は特に心に傷を負っている訳ではないけれど、この本を読んでとても癒されました。