ボトルネック 作:米澤穂信 感想

自分は、仕事で問題点を指す場合に『ボトルネック』という言葉を使うことがある。ボトルネックという言葉は、相当な難問が横たわっていて、一筋縄ではいかないと想定され、あえて、問題を強調し、メンバーの意識を集中したいときに使っている。この小説のボトルネックは、いつものことと思っているが、それを良い方にも悪い方にも導いているのは自分であり、そのターニングポイントでの自分の行動をボトルネックと称している。「あっ!あのときああすれば、こんなにはならなかったのに・・・」なんて思いは誰でも一つや二つ持っている筈。そんなあの時が、ボトルネックだ!でも、後悔先に立たずで、結果を見通して、その時の一瞬を正しい方にばかり導ける動きができるかと言うと、そんなことができていたら、もっと良い生活してるわい!(笑えないところが悔しいが)と言いたいくらい素のまま動いていて、現状を甘んじて享受しているのが実際だ。この本の中では、その現状と対比するように、「あの時そうしなかったら、こうなった」という世界が描かれている。舞台は金沢市東尋坊。はじめは、幽体離脱かと思った!!!そんな物語でした。