人にものを伝えるために必要なこと

"目は口より物を言う"という言葉がありますが、伝える相手が1人ではなく複数だったり、同時ではなく数回同じことを繰り返して伝えなければならないいわば説明会だったりしたら、"目"だけでいいたいことが同じレベルで複数の相手に伝わるでしょうか?現実として、補助資料なくしてそれは不可能でしょう。『想い』を伝えるのは目だとしても、『事実・結果』を伝えるのは紙(紙面)です。前者は、その場でしか伝えられないもので、印象付けるのに有効です。一方後者は、伝えるものが何なのかといった導入部から説明最中のガイド・誘導部、そして、説明後の振返りや聞いた人伝えで、他者への情報伝達など、幅広く使われ、その利用時間も長期に渡ります。ですので、人にものを伝えるための前提となるのは、だれが見ても同様な理解が得られるような精緻な資料です。しかし、これを作るのは、一筋縄でいかないところがあります。それは、情報発信が個人のレベルであれば、自己完結でそれなりのものを作り、自分が納得すればいいですが、組織レベルの場合、組織の中で発信内容について吟味し、言い回しや内容の過不足などのすり合せをし、複数の質問や問合せに対し、同一の回答ができるよう一枚岩になるプロセスいわゆる"レビュー"を経て資料を創るべきだからです。資料の作成者が組織の代表であればいかようにも責任がとれるのでレビューは要らないですが、作成を任された人が代表で無い場合、組織の看板を背負って資料作成をするので、受託者は当然レビューを要請し、委託者も必ず確認しないとその責任を果たしたことになりません。そのくらいものを伝えることがシビアであることをしっかり理解し、日々の作業に取組むことで、情報伝達のトラブルは減り、作成した資料のいい意味での使いまわしが可能となり、しいては作業の効率化や作業のゆとり・時間短縮を実現することになります。あなたが今、何かの資料を創っているとしたら、自信をもって、送り出せるようにしっかりレビューして、複数の確度から隙が無いことを確認しましょう。それが、自身と組織を守り、正しく狙い通りにものを人に伝えることにつながります。