おそろし 作:宮部みゆき 感想

宮部みゆきの最新作ということで、非常に期待して読んだのだが、「孤宿の人」のような大きな感動や日本語という言葉を改めて惚れ直すような感激もなく、よくある時代物といった感じがして、大局宮をこよなく愛す私としては、少々不満だ!主人公の『おちか』が黒白の間で変調百物語を聞くところまでは、いつもの宮部ワールドなのに最後に登場人物全員集合での「家鳴り」は、しつこくてなんとなく寂しい。それだったらいっそのこと、お話毎に短編でもいいんじゃないと言う感じさえもちました。ページを捲るのが楽しいと感じる宮部作品であることは間違いないのですが、いかんせん終り方がとってもノーマルでびっくりしました。