ウォッチメーカー 作:ジェフリー・ディーヴァー 感想

久しぶりに翻訳物を読んでみました。評判通りおもしろいミステリーです。読み終えた感想はひとこと、『Twenty Four(24)』のようで読んでいる方もハラハラ・ドキドキの連続で肩に力が入りました。まばゆい日差しに眼を細めながら空を見上げ、両手・両足・背筋をまっすぐにし、おもいっきり伸びをしたい感じで、征服感抜群です。
『ものすごいスピード』で展開されるストーリーは、ひとつひとつが時計の部品のように美しく緻密に計画・実行されていきます。犯人のウォッチメーカー、対峙するリンカーン・ライムとそのチーム、とりわけ尋問エキスパートのキャサリン・ダンスは、キネシクス(表情や目の動きや態度や言葉使いなどを観察してウソをついているかどうかを判断する技術)のプロで、犯罪容疑者の嘘を拷問でなく表現観察技術で次々に見抜いていきます、これが読んでいてすごく気持ちいいんです。(できれば、24の次シーズンに出して欲しいような逸材ですよ!)謎が解けたと思ったら最後にアッと思わせるテロ計画が・・・多重に張り巡らせたおとり犯罪・・・数百、千に及ぶ複数の部品から成る工芸品"時計"、部品ひとつひとつの個性=犯罪が融合して時を動かす・・・面白かった! 2回・3回と見方を替えて読んでみたい作品です。