少女 作:湊かなえ 感想

以前読んだ「告白」の”ドロットして陰鬱なんだけど、覘いてみたい世界”がまたあるのかな?と怖いもの見たさのような感じで、「少女」を読んでみました。結果は・・・あた〜り〜、またありました!!!・・・こんな明るく語ってはいけないのでしょうが、期待を裏切らない『湊ワールド』とも言うべき世界を再度体験できました。時節は冬だから、背筋も凍ります。
高校2年同級生の敦子と由紀、この2人の夏休みは、敦子は老人ホームのボランティア、由紀は病院や施設で物語の読み聞かせをするボランティアをすることとなった。でもボランティアをすることが目的でやっているのではなく、別の要因からすることになったといった方がいいだろう、そこには、いまどきの女子高生の怖さとしたたかさが如実に書かれている。そんな中、老人ホームと病院で出会う人たちにからめて、二人の行動が重なっていく・・・学校裏サイト、おじさん、昴・・・もしすべての女子高生がこんなだったら世のオヤジ族は、外へ出れないだろうって思えるようなさむーい気持ちになる。そして物語の根底には『死』と『因果報応』という言葉が潜む。いまどきの女子高生の会話がすごくリアルでそれだけでふっう〜んって感じです。みなさんも一度、湊ワールドを体験してはいかがですか?きっと素直に『怖ええ』と感じますよ。