ルパンの消息 作：横山秀夫 感想

十五年前、自ら教鞭をとる高校の屋上から墜落死した女性教師は、当時自殺として処理されたが、時効１日前に入ったタレ込みにより、殺人事件へと変貌する。容疑者は高校３年の２学期末試験問題を連夜に渡り校長室に忍び込み金庫から盗むという"ルパン作戦"の首謀者３人。１５年の歳月を経て、"サラリーマン","地上げ屋","浮浪者"とそれぞれの全く違う現在の境遇から当時を語る。この３人より自殺から殺人へ確定的な供述が得られたもののいったい真犯人は誰・・・女教師殺人事件は当時の関係者全員を巻き込み拡大していく、そして、出てくる謎のひとつひとつに深く冷たくそして悲しい理由がつきまとう・・・愛するが故の人を守るための行動が、次の犯罪のきっかけを作ってしまう。犯罪の連鎖、解き明かされる謎、迫りくる時間、はたして犯人は・・・TwentyFourばりの時間との戦いがそこにあり、それが１５年の歳月にもかかわらず鮮明に描かれる。スピード感あり、人間味のあるサスペンスです。面白かった！！！