あそこの席 作:山田悠介 感想

学校や教室にまつわる噂っていろんなのがあったな〜って思う。でもその噂って実際には迷信に近く、みんなが徒党を組んで禁断の果実のように祀り上げて触らないようにしているだけで、本当は何もないんだってことが年を重ねるうちに判ってきた。それなのにこの物語には、私怨で作ったその噂を自ら守るために犯罪を重ねるリアルタイムの犯人がいる。冷徹な犯人は異常者に近く、廻りにいる者すべてにナイフのような鈍く冷たい光と金槌のような圧力で、恐怖を引き換えに禁断を破る者へのいやがらせを迫ってくる。裏切り者には死あるのみ、次々と周りの人間が消えていく・・・そんな中、赴任したての教師と、転入したての女生徒が噂の過去を探り、問題の核心へと迫る。まるで映画「13日の金曜日」のジェイソンのような登場タイミングで迫ってくる黒い狂気の影。逃げ場を失う主人公の加奈、間一髪・・・そこで見たものは・・・輪廻ってわかりますか?ひょっとしたらそんな星の下に生まれているの?・・・恐ろしい席、それは3列目の3番目・・・教室のほぼ中央・・・ほらそこの席!!!気を付けてください。