4TEEN(フォーティーン) 作:石田衣良 感想

月島・築地・銀座そして新宿・・・昔の風情を残す情景が浮かぶ町と、光と影をもつ大都会の街並み・・・その中で、子供以上大人未満14歳の少年4人が『仲間・友達』といったことをテーマに語る物語は非常にこきみよかった。さらに、小道具としてたびたび出てくる「自転車(ロード用のタイヤを履いたマウンテンバイク)」は、出てくるたびに主人公の子供たちと一緒の”風”を感じさせてくれて、自分も4輪からおりて走ってみようかと思えたくらいポイントになってました。潮風ありの、都会のギラギラの熱風ありの、昔からの水打ちの風ありの、若々しい懐かしい感じの空気の流れと匂いを感じさせてくれます。自分の14歳、中学校2年の頃を想い出してみると・・・30年前・・・霞がかかっていて、みにくいな〜え〜と・・・友達とつるんで遊ぶことが少なくなり、クラブの先輩(アマチュア無線)とアンテナやリグ作りをしていたような・・・ともかく、印象が薄いなといった感じです。そんな14歳の少年たちが、「ぼくが怖いのは、変わることだ。みんなが変わってしまって、今日ここにこうして4人でいるときの気持ちを、いつか忘れてしまうことなんだ。・・・」って話すシーンは、すごくグッときて、うらやましく感じられます。なんだか、もう一度あの中2の頃に戻ってみたいなって・・・