死亡推定時刻 作:朔立木 感想 

この本、読み始めたら舞台となっている街の情景・背景といったものが懐かしく、「そうだったなっ」とか「あっ、あそこだ」と手に取るようにわかって、すごく身近に感じられました。
そんなことはさておき、話しの内容は、司法の機関に『?』を感じるもどかしい内容で、先日まで見ていたドラマの『スマイル』をも彷彿させんばかり。いらいらが募りました。実際の事件の捜査や裁判といったものは、調べる方(警察)や裁く方(裁判所)の都合や感情で決まってしまうものなんだろうか?法の番人は、もっと崇高な誓いや志の中で活動しているもんなんじゃないの?待てよ、でも裁くほうも『人間』だよなっ、であれば、こんなことがあってもしかたないのかな?いやいや、でもそれでは冤罪と呼ばれるものが世の中にはもっとあって、罪もなき人が罪を着せられているんじゃないの?こんな事実が横行しているのをほっといていいの?だったら何が自分にできるの・・・など考えさせられました。
小説のタイトルにもなっている死亡推定時刻、これは犯罪捜査の中で、これだけの位置を占め、さらに家族の心境にも大きく影響するとは思ってもみなかったです。とにかく裁判員制度がはじまって、昨日で3件が結審していますが、人を裁くのは重たい限りと思います。であればこそ、新裁判員制度のもと、選ばれる資格のある方、この本を一読いただいて、司法のあり方や矛盾など、疑いの目をもって自分の目で見てみてはいかがでしょうか?