贖罪 作:湊かなえ 感想

日本一空気のきれいな町の小学校で起こった殺害事件。被害者は、校庭遊んでいた5人の少女のうちの一人、都会から引っ越してきた娘だった。なぜその子だったのだろうか?難を逃れた4人の少女たち一人ひとりが心の傷を負う。
前作の告白同様、ひとつの事件をそれに関わる人間それぞれの見方で書いてる。その一人ひとりが当時どう思って時効直前となる今まで過ごしてきたか、さらに、事件を通じていっこうに捕まらない犯人に苛立つ被害者の母親から浴びせられた「あなたたちは人殺しだ。犯人を見つけるか、わたしが納得できるような償いをしなければ、復讐する。」という言葉の呪縛からか、それぞれの身に降りかかる運命のような事件。いつものことながら湊ワールドは、背筋の凍るような出来事の連続だ。
助かった4人の手記のあとは、被害者の母親の手記に続く。犯人はそして、4人の運命は・・・すごく興味深く、そして面白く読ませてもらいました。お勧めの作品です。