学問 作:山田詠美 感想

学問というタイトルとあの山田詠美というなんとも言えないギャップがあって、どんな内容なのか興味津々でしたが、読み進めているうちに納得しました。これはまさしく山田詠美の作品です。そして、過去に映画にもなった『ぼくは勉強ができない』より映像化するのに面白い作品だと思います。
物語は、静岡県の美流間市を舞台に、幼馴染の4人(仁美・心太・千穂・無量)が小学生時代から高校卒業までに学んだことが書かれています。美しい自然の中に育まれ、成長の過程で学ぶ『友情・恋・性・愛・別れ・・・』などだれもが感じそして学んでゆくものが美しくそしてどこか懐かしく感じられます。なんとなく石田衣良4teenにも似ているようでしたが、1つ1つの章の始まりに4人ひとりづつ訃報が書かれていて、その死にざまが、本編に載っている若い頃そのままを現しているようで、とても興味深く読むことができました。たまには、自身の子どもの頃を想い出してみるのもいいかもしれませんね。そんな気分です。