「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト 作:酒井穣 感想

この本、1月に初版が出てから相当売れているようです。かなりタイトルに魅力を感じますよね。そもそも教育というのは、『教育しないのが教育』といった会社があったり『新人教育に半年、その後もOJT・フォローUP』と新人傾斜の会社があったり、年度末の予算消化で、計画もしてないのに突然くそ忙しい時期に駆込み教育をするような会社があったりで、いろいろなパターンがあると思います。でも、共通するのは、何か伝えよう、何か盗んで欲しいといった想いがどのパターンでも主催者側にあるハズです。『教育・・・』この甘美な響きはなんでしょう。私はそこに自分にないものを見て知って体験することを求めています。そんなことを考えながら、この本(教科書)を読んでみました。
教育の立案者の目線で、教育の在り方・効果測定・タイムリーな内容とタイミングで教育を行うためのインタビュー(社内マーケッティング活動)などいろいろ書かれていましたが、"なるほど"と頷けたのは、人材教育に「勝ちぐせをつける【バックワード・チェイニング】」のくだりでした。簡単に言うと、教育現場で1から教えて最後の5に成功体験があったとすると、どうしても筋道ということで、1から実践しがちですが、これでは5に行くまで時間も労力もかかり、複数の成功体験ができません。これでは、成功体験があって欲が出たりするのに、そこまで行く道のりにくじけるパターンもあるので、真逆に5の成功体験から順に、5の次は4と5、次は3と4と5と、必ず5をからませ一歩一歩その前を教育体験させるといった進め方です。なかなかいいですよね。徒弟制も今風でなくなりましたし・・・
この他にも、明日からできる育成プログラムなども書かれています。見た目は薄い本でしたが、読んでみると作者の酒井さんの熱い想いと、チームへの愛が書かれているようでした。わしらも早く教育を実践できる体制にしたいものです。