夏を拾いに 作:森浩美 感想

ミーンミーミーミーン、、、油蝉が鳴く、高く青く抜けるような空、田舎の夏の風景の中でブンちゃんとその仲間たち4人が、少年時代のあの濃密で何をやっても楽しかった時代を描く・・・あの『夏の庭』は、少年と老人の話しだったが、こちらは同じノスタルジック的ではあるものの、少年時代夢中になった冒険と、真黒に日焼けしてまるで犬コロのように遊び呆けた仲間との友情がテーマだ。この本、『夏の庭』同様に中学入試でよく出題されているようだ。登場人物が小学生であること、文章そのものの解釈がストレートにとれるよう作者が情感込めて丁寧に書いていることなど、出題者に好まれる要素が多いからだろう。そんなことは置いといても、夏休みを前に、「自由研究、何にしようかな?」「どんな夏休みの過ごし方をしようかな?」と思っている小・中学生や、私のように40代で、古き良き日本の夏を想い出したい人、読んでみてください。きっと田舎の父(両親)に「今年は帰るよ」と連絡したくなること請け合いです。