ある日、アヒルバス 作:山本幸久 感想

以前仕事の関係でバス会社様にお世話になったことがあり、それ以来、何かにつけ『バス会社』が気になっています。そんな中で、書店の店頭に黄色のカバーで、すましがちに積まれている「アヒルバス」が目につき、脇目もふれず手に取りました。

この本、ごく普通のガイドさんという設定の「デコ(秀子)」が、アヒルバスという月島のバス会社で日常の乗務や、新人教育を通じて、成長してする過程を物語化しています。何がいいって、バス会社の男性的な体質(点呼から始まり報告に終る、まるで軍隊的だからかな??)を同僚から言われたことがきっかけではあるものの、女性による改革を行うべく日夜奮闘する、こんな姿勢があふれていることです。これは、デコが『アヒルバスを好き』だからできることで、今の若いサラリーマンが忘れてしまっている愛社精神をいまいちど思い出させてくれます。過去を振り返ると自分にもそういう時期があっていつの間にか組織に飲みこまれ、それではいけないと、一連発起で立ちあがった・・といったことも、デコと相通じるところがあるなと思います。それはさておき、ガイドさんの日常って、改めて大変なんだと思い知りました。朝は早いし、新人教育の合間にも乗務はあるし、たまの休みの日に出掛けても、次の乗務のため、どこへいっても勉強・・姿勢、言葉使い、立ち振る舞い、全て見られていることを意識するのは、大変なことで、やはり好きでないとできないですね。この本、ハ●バスを取材して作られたということですが、バス会社には、それぞれに特色があり、たくさんのエピソードもあるので、アヒルバスだけでなく、次はカエルでもいいので、いろんなシリーズどうでしょうか?きっとバス業界もガイドさんフィギアだけでなく、期待あると思いますよ。

ところで、『アヒルバスのマスコット、あひるのアルヒ君』すごくいい響きの名前ですね。私の知っているあの犬、名前はあるのかな??今度聞いてみたいと思います。