at Home アット・ホーム 作:本多 孝好 感想

やばいです。この本、わたしのようなミドルエイジの家庭持ちには涙腺が破壊されたように涙が止まらなく鼻水ジュルジュルになれる内容です!ちまたにある通信教育の宣伝で『合格保証』といったものを見かけますが、この本は、家庭持ちで手のかからなくなった親限定で『涙保証』とうたってもいいくらいですよ。
何がいいって、短編の4作品それぞれ味が異なるのですが、源流に家族愛があり、それが本のタイトルの【at Home】なんです。まいっちゃいますよね、だって温かい家族ですよ・・・この寒い時期に心がしびれるくらいに温かいんです。本のタイトルにもなっている『at Home』という短編には血縁を超えた家族愛が、加えて相手を守る心が書かれていて、ラストを飾る『共犯者たち』には、親がいなければ生きていけない小さな子供が、虐待を受けても「にへらー」と笑うんです・・・この「にへらー」という言葉・・・せつなくて悲しくて愛くるしいですよ。今年見たドラマで芦田愛菜ちゃんが出ていた『マザー』が印象に残りましたが、それと同じで怖くて悲しくて辛いのに「にへらー」なんです。ほんと、いい年こいた親父が”せつない”気持ちにさせられるんです。でも、そこには守ってくれる家族がいるんです。
もうすぐクスリマスです。。。(仕事も家も)何が無くても、居場所が離れていても、『家族』としてつながっていて【at Home】でありたいですね。