ふがいない僕は空を見た 作:窪 美澄 感想

毎日暑いですね。節電の夏が来て、どうしても逃げられない暑さが襲ってきて、日陰に涼を求めてもコンクリートの照り返しでムッとしていて、なのにメタボの私の体重は増加傾向にあり(関係ないか)、すべてのものに矛盾を感じ、自分の力のなさにすこし嫌になっているこの頃です。このブログも、書いても自己満だけのようでなんだか空虚な心持で気が向かなかったんです。でも、読んだ本が書かせるってあるんですね。いまがまさにその気持ちで、久々に盛り上がってます。
この本、はじめは、「官能小説??」って思うくらいしつこい性描写で「エッ!」って思ったんですけど、読み進めるうちに、はじめのストーリーの意味がわかってくると、あるべきしてあるんだなと納得しました。主人公の「僕」は高校生。青い性って年頃ですよね。その僕は、強さと弱さを併せ持っていて、世間から後ろ指を刺されてしまう状態で、引きこもりになるが、僕を温かく見守る母は、付かず離れず、子供を見守る。その想いが僕を立ち直らせる・・・
あの『告白』のように、登場人物一人ひとりの立場から書かれた短編が重なって、一つのストーリーを作っています。人の命の重さが、ひしひしと伝わる短編でした。読んでよかったです。ハイ。