ツナグ 作:辻村 深月 感想 

一生にただ一度だけ、亡くなった人と会えるとしたら、あなたは誰に会いたいですか?
重たくて神への冒涜のような事柄かもしれませんが、こんなことができるのが『ツナグ』=『使者』なんです。使者の役割は、会いたいと申し出があった死の世界にいる相手に現世の依頼者の想いを伝え、相手が会ってもいいと承諾するなら、満月の夜一晩だけ会うことができるようにするんです。
本の中には、「親」「友達」「アイドル」「恋人」とのツナグが書かれていました。会うことに対する依頼者の心の葛藤はもとより、亡くなっている相手の会うまでの想いも書かれています。人の心って一つの見方だけではなく、いろいろな見方があるものの、その真理は、相手本人でしかわからないものですよね、だから『あの時』、生きていた『あの時』どう思っていたのか知りたいと考えてしまうのでしょうね。人間だから、生きているから、繊細に考え、慎重かつ大胆に行動する。それは、どんな行動であっても間違いではなく、でもそれはすべてが正解と言えることでもないのです。

書店で『ツナグ』って何を?と思って手に取った一冊でしたが、ツナグって素晴らしいことだと思いました。
なぜなら、わたしにも『ツナグ』にお願いしたい人がいます・・・・。