箱庭図書館 作:乙一 感想 

ボツ原稿を乙一流にリメイクすることで生まれたそれぞれの物語は、それぞれの味やベクトルがあるものの、主人公に連鎖性を持たせることで、それぞれのパズルピースがぴったりはまって一枚の絵を作っているかのようです。匠の技を目の当りにしているようで、一気に読まされました。
中でも私が気に入ったのは「ホワイト・ステップ」です。【じゃんけん】がキーワードなんですけどネタバレになるので多くは語りませんが、ホワイト・ステップを見つけられないかと次の冬の、雪明けの早朝のだれも歩いていない新雪のある場所で、耳を澄まして、じっと雪を見てみたいと思います。