切羽へ 作:井上荒野 感想

本編が3月から翌年の4月まで。主人公のセイの南の島での生活と、心の移り変わりを月を数えながら描写していく・・・まるで24のようだ。美しい島と夫との生活、島民とのふれあい、そんなスローな生活の中で、新しく音楽教諭の石和がやってきた。次第に引かれるセイ・・・タイトルの切羽の意味が解らず読み進めると、なるほどと思わせられる。ちょっと女性的な一冊だが、南の小島で暮らしてみたいと思う人や、都会の喧騒に疲れた人にお勧め。大きくて、でも切なくて、とってもあったかいセイの旦那の描写に感動。