2010-01-01から1年間の記事一覧

ニシノユキヒコの恋と冒険 作:川上弘美 感想

なぜか川上ワールドのあの不思議な女性感覚の世界が懐かしくなって読んでみました。一言、ニシノユキヒコ(西野幸彦)は幸せだったんでしょうか?この本、はじめから終わりまで、西野幸彦の色恋が10篇入った短篇集だけど、男性として羨ましいと思う反面で、…

王様ゲーム 作:金沢伸明 感想

王様ゲーム・・・この甘い響きが懐かしくて、さらに、たまには背筋の凍る思いをしたくて、手にしました。 物語の舞台は、とある学校のひとクラス。クラス全員32名参加の王様ゲームが、0時丁度の一斉メールで始まる。「男子出席番号A番、XXXX、女子出席…

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト 作:酒井穣 感想

この本、1月に初版が出てから相当売れているようです。かなりタイトルに魅力を感じますよね。そもそも教育というのは、『教育しないのが教育』といった会社があったり『新人教育に半年、その後もOJT・フォローUP』と新人傾斜の会社があったり、年度末の予算…

海辺のカフカ 作:村上春樹 感想

カフカって何、猫と話せるナカタさんが探しているものは何、空から魚やヒルが降るってどういうこと、森の奥世界は何だったの、カフカの姉って・・・次から次へと出てくる疑問、それを断定せず臭わせながら語って行くこの本は、長編だけど、それを感じさせな…

思い出トランプ 作:向田邦子 感想

村上春樹を読みながら、部屋の本棚を眺めてみると、村上さんの作品に比べて、見た目がすごく薄い本が目に留りました。手に取るとそれはタイトルバックの絵とともに『向田邦子』の文字・・・懐かしい想いがして、村上さんを中断して約3時間・・・向田ワールド…

閉鎖病棟 作:帚木蓬生 感想

個々の話しが、患者の入院前の物語で、それぞれの閉鎖病棟の生活につながる。閉鎖病棟は、治療の場ではあるけれど患者から見ると唯一の戻れる場所。でも、巣立ちの時は必ずやってくる。完治しての退院・事件を起こしての強制収監・亡くなっての退院、かたち…

フィッシュストーリー 作:伊坂幸太郎 感想

ラッシュライフから短編集のフィッシュストーリーへ、伊坂作品は、いつもそうだが主人公や背景などのつながりが作品間にあり、出品順を逆らわずに読み進めると、読み手がニャっとして回顧することが多い。私のような単純な読み手は、そんな状況があっただけ…

ラッシュライフ 作:伊坂幸太郎 感想

杜の都仙台を舞台にサイペンス色のバラバラ殺人事件や、時勢がかったリストラサラリーマンの復讐や、空き巣、男女の愛憎事件が、同時多発的に発生する。まるで、Rushのごとく次から次へと・・・。ひとつひとつの物語は、それぞれのストーリーを持ち並行して…

謹賀新年 2010 虎

お立ち寄りいただいている皆々様、新年明けましておめでとうございます。 今年も、ランダムではありますが気になった本を読んで、感じたことなど記していきますので、気が向いたときにご高覧ください。 さて、昨年12月にこのブログが累計で2万Viewを超えまし…